徒然日記 その9

K-1ミレニアムのフィリオ VS バンナ戦は凄い試合だった。あれこそ正に真剣勝負と呼ぶに相応しいものであった。どちらかのパンチ或いはキックが、まともに一発当たればそれで全てが決まってしまう、そんな恐ろしいほどの緊張感の中、一瞬の隙をついてパンチを放ったのはバンナの方だった。"一撃"、それは今まで、勝利するフィリオの為にあった言葉。そのフィリオが相手の"一撃"で完膚なきまでに叩きのめされてしまったのだ。僕の予想では、猪突猛進に責めてくるバンナの攻撃を紙一重のところで見切ってかわし続け、どうしてもディフェンスに難があることは否めないバンナの隙を突いて、フィリオが強烈な"一撃"を...というものだった。しかし、予想は見事に裏切られた。一瞬の隙を見せてしまったのはフィリオの方だったのである。限界ギリギリまで自分の能力を高めた者同士の対決、何が起きるか予測できない勝負の美学に僕は魅せられた。

引退を賭けて臨んだ橋本と、元柔道世界チャンピオン小川の一戦も興奮した。僕はこの試合を観に東京ドームにまで行ったのだが、回りは九割以上橋本ファン。肩身の狭い思いをしながら、それでもひたすら小川に声援を送り続けた。スポーツを生で観ると、いつもその静けさに少なからず戸惑いを感じる。要は、あのひたすら喋り続ける実況アナや解説者がいないからである。その分リングの上で何が起きているかを我が目で見極めようと、こっちも必死で試合に集中してしまう。結果は接戦の末、小川のK.O勝ち。でもあそこまでマジな2人の死闘を目の当たりにすると、もうどちらが勝っても文句などなかったし、こちらもホントに良いものを観たと大満足だったのだが、家に帰ってセットしていたビデオを観たら、なんか無性に腹が立ってきた。余りに橋本寄りのTアナのコメントの醜怪さ、小川に対してのブーイング(実際彼は何も悪くないのに、いつの間にか悪役のような扱いを受けている)、始まる前は「負けたら即引退」なんて本人も回りもさんざん言っておきながら、いざ負けると誰一人としてその潔さを見せない歯切れの悪さ。
んー!! 確かにあの2人の試合ならもっと観たい。しかし、何とも割りきれないものを感じているのは僕一人ではあるまい。小川は強い、そして橋本だってまだまだこれからの素晴らしい選手なのは判っている...が、敢えて言いたい。「橋本は、即刻引退すべきだ!男の美学を見せてくれ。」もうそのまま辞めてしまってもいい。又は2年位何処かに篭って必死に練習し、とてつもなく強くなって戻って来るのもいいだろう。そしてその時こそ、復活宣言をし、堂々とリターンマッチをやってくれ。

今年は格闘技ファンにはたまらない試合が目白押しだ。もうすぐ、完全決着ルールに変わったPRIDEの決勝トーナメントもある。これ又とても楽しみである。


2000年4月28日