徒然日記 その172

春一番も吹いたというのにまだまだ朝晩は冷えるね。風邪も周りではかなり流行っているけど皆さんは大丈夫?
まずは先日のBOWWOWフォト・セッションのお話から。昼過ぎに白金にあるスタジオに集まり、着替えを済ますと、まずは黒のジャケットで渋~く決めたミツヒロから撮影スタート。まずは順調な滑り出しと思いきや、カメラマンの焚くストロボに混じってあちこちからピカピカとフラッシュが。いやはや最近のデジカメ・ブームは凄いがW.Lのスタッフ2名となんとニイミ師匠がカメラマンのすぐ後ろから写真を撮りまくっている。「おいおい、プロが撮っているのにその写真何に使うんだよ~。」と思っていたら、さすがの我慢強いカメラマンも「ちょっとー。後でちゃんと皆さんの写す時間を取ってあげますからやめて下さい。」そりゃ当然だ、照明の邪魔にもなるし集中出来なくなるよね。しかし一旦はカメラを引っ込めたのもつかの間、今度はフラッシュなしで2mくらい後ろに下がってシャッターを押し続けるニイミ師匠達。撮影の合間にも師匠は動画モードにしてメモリーカードをとっかえひっかえ撮りまくる。どうやら家に帰ってDVDに編集するらしい。再生しながらソファのところで大騒ぎしていると、休む暇の無いカメラマンに一言「ずいぶん楽しそうですね...。」とうらめしげに言われてしまった。
僕も20代の頃はカメラ小僧で、一眼レフ片手に猫や人や景色を撮りまくっていたことがあったが、写真って本当に面白いよね。段々アーティスト気分になってきて、シャッタースピードを上げ空中に浮かんでいるように人を撮ったり、モノクロで陰影を活かした写真を撮ったり。
ところで、ミュージシャンという立場上、ファンの人を含め、いろんな人に写真を撮られるのに慣れてはいても、最近のあの写し方はちょっと・・・だよね。皆一様に両手を伸ばしあごを上げ目を細めて液晶を見つめる。それがカメラ付携帯で更に大勢の人たちとなると、撮られる立場としてはなんか怪しい信仰宗教集団から糾弾を受けているようで恐い。ということで僕はデジカメの時も、なるべくファインダーを覗いて撮るようにしているんだ。これは単に昔のやり方に慣れてるだけなんだろうな、きっと。
写真に限らず、電車の中でもお店の中でも道を歩いていても携帯の画面を見つめる人々々...。フッと自分の中で一息つくたびに携帯を取り出してメールが届いていないかチェックし、無ければ無いで今度は着信メールを一覧し、それ程の用がなくても「あ、メールしてみよう。」と誰かを選ぶ。要は皆寂しいんだなと。常に誰かに自分のことを考えていて欲しい、思い出して欲しい、つまり自分の存在を忘れないでいて欲しいんだろうな。
故郷を離れて学校の寮に住んでいた頃、自分の郵便受けを見るのが楽しみでしょうがなかった。白い封筒が見えるとそれだけでもうその日はもう幸せ。部屋に持ち帰り何度も何度も読み返していた。昔の手紙がなかなか捨てられないのは、やっぱり宝物だったからなんだろう。時間のスパンやもしかして一通の重みは変わったかもしれないけれど、誰かからの手紙(メール)というのは、いつの時代も大きな楽しみ。携帯の液晶を見つめ続ける人達、今という二度と戻らない時間をカメラを使って切り取って置きたいという気持、異様な姿に映るけど、とても人間らしいとも言えるよね。

さて、撮影も全て終了すると皆で麻布の居酒屋さんへ。禁煙続行中のミツヒロの隣に座ることが出来るのは嬉しい。今まではずっと喫煙組とは距離を置いていたからね。師匠の靴擦れネタを聞くのも久しぶりで、またまた涙が出そうなくらい笑い転げた夜だった。


2004年2月20日