徒然日記 その306

2006年、VOW WOWのベスト・アルバム"Rock Me Forever"に書いたライナーノーツに奇跡と言う言葉を使った。2008年12月行った俣野温子さんとのコラボLIVEのタイトルは"クリスマスには奇跡が起こる"だった。
そして翌年の2009年12月25日、"AXの奇跡"、正にクリスマスに奇跡が起こった。
期せずして状況は奇跡に向かって動いていたような気がしてちょっと不思議な気持ちになる。

 

12月18日から3日間、僕らはスタジオにこもりリハーサルを続けた。初日から「こんなにあっさり上手く出来ちゃうもんなの?3日目はもうキャンセルしちゃおうか~?」と厚見君。確かに今聴き返してみても初日のリハからかなりのクオリティである。どうしても思い出せないフレーズが皆と一緒に音を出すと自然に弾けていた。やはりイギリス時代に行った沢山のツアーで、曲は体にしっかりと刷り込まれているようだった。それでも初日が終わって家に着くと、ペンを持とうとするだけで右手の指が攣り今度はすかさず左手が攣った。それは次の日の朝になっても起こった。メンバー全員言っていたけれどこのバンドの曲を演奏する時の体力の消耗は半端じゃないものがある。本当にギリギリのところまで追い込んで戦ってきた感覚が蘇る。そんなLIVEを3連チャン1日休みで1ヶ月とか平気で繰り返していたんだから、あの頃皆が無敵パワーを撒き散らしていたのも当然だろう。
しかし体力には多少自信のある僕も今回3日目には足にまで故障が来て次の日には熱を出して寝込んでしまった~。
素晴らしいリハーサルだった。演奏しながら鳥肌も立った。20年以上前の楽曲は全く色褪せず、演奏にはその間に歩んだ人生が付加され深みを増していた。「このままツアーに出たいね。」皆が笑顔で頷いた。しかしVeritas! One Night Wonder ・・・。

 

そして本番の日。
サウンドチェックから楽屋に戻ると、飲み始めていた白ワインの飲み口に元基が自分で書いた「禁酒!!」の張り紙が(笑)。厚見君は最初の武道館で着た衣装を早くも身に付け臨戦態勢。開場時からT-シャツの売り上げが相当気になっている様子(笑)。ニイミはひとり喫煙ルームでモクモクとウォームアップ。
そして7時になる。会場に流れたウグイス嬢の声、「何か変だぞ?」と思われた人も多かったに違いない。何を隠そうあれは小学5年生になる厚見君の愛娘Rちゃんだった。

本番のことは・・・あえて具体的な言葉にするのは、今はよしておこうと思う。ステージ上客席全ての人が同じ感覚を共有し同じ感動を味わえたと思うから。
音楽はタイムマシンと以前書いたことがある。僕らは正にVOW WOWというタイムマシンに乗ってAXの小屋ごと一気に20年前に戻った。夢のような時が流れ、白い煙に包まれたかと思うと皆の笑顔や涙はそのままにあっという間に現在に戻って来た。なんかそのまま未来へまでも飛んで行けそうな勢いで・・・。

 

楽屋には次々と懐かしい面々が集まって来た。昔のスタッフ、お世話になった人達、皆の顔も紅潮していた。
本当にあの晩全国から集まってくれた全ての人達に感謝。完璧にサポートしてくれたマリオ君に感謝、そして天国から愛をくれた清志郎さんにも感謝。
皆さん本当にありがとうございました。

 

そして彼の行動力がなければ絶対にこのSpecialなChristmasは来なかった。
Atumic Rooster氏にもう一度感謝。


2009年12月28日